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SPECIAL

2025.01.10

エパリダ 連続キャストインタビュー vol.2:伊南羽桜×川井田夏海×稗田寧々

Aランクパーティ「サンダーパイク」を離脱したユークが新たに加入したのが、元教え子3人――マリナ、シルク、レインで結成された新米パーティだった。
ユークと3人の関係性が物語の大きな軸となっていくが、そんなヒロインズのキャラクターや魅力について、マリナ役の伊南羽桜、シルク役の川井田夏海、レイン役の稗田寧々の3名に、ダンジョンよりも深く追求してもらった

 

「優しいけど、罪な男」を支えるメンバーとして

――まずは役に決まったときの印象を聞かせてください。

伊南      マリナは事務所に入ってすぐに受けた役でした。事前に声を収録したテープオーディションで合否が決まったのですが、手応えがなくてまさか選ばれるとは思って いませんでした。なので、受かったと聞いたときはマネージャーさんの前で大泣きしました。

川井田   マネージャーさんに泣かされたの(笑)?

伊南      いやいや、選ばれたことに純粋に喜んで泣きました(笑)。

――テープオーディションということで、みなさんは他の役も受けられたのでしょうか?

川井田   私はシルクだけです。

稗田      私はマネージャーさんからレインを勧められていて、実際に選ばれたのですが、他のキャラクターも受けていました。

――みなさんが共演されるのは初ということですね。

川井田 はい。ユーク役の峯田(大夢)くんも含めて初共演で、すごく新鮮でした。初対面の日は、みんなで距離を縮めようとあだ名を決めました。

伊南    その日はとても緊張しました。それまでの収録(コロナ禍での分散収録)とは違い、一斉収録に戻ったので、「こんなに人がいる!」と。

――伊南さんはマリナという役柄をどのように捉えていますか?

伊南      原作を読んだときは、底抜けに明るく天真爛漫な、ワンちゃんみたいな存在だなと思いました。

川井田    自分と似ているところはある?

伊南      うーん、似ているのはご飯をいっぱい食べるところ(笑)。

稗田      あと、口笛がうまい。

伊南      あ、特技とかでアピールしていたわけではないのですが、たまたま2回ほど口笛を吹くシーンがあって。みなさんから「上手!」とテスト収録から褒めてもらえて嬉しかったです。

――川井田さん、稗田さんから見たマリナの印象は?

川井田   本当に明るくて心強い存在ですね。こちらの性格や気持ちを汲んで、明るい担当を担うんだという覚悟を感じます。それもあって、パーティとしてのバランスが取れているというか。

稗田      そう。たぶんマリナがいなかったら、クローバーはもっと冷静なパーティになっていたと思います。シルクとレインが落ち着いているから、余計にマリナは元気はつらつでいるのかなと。



――シルクについてはどのように捉えていますか?

川井田   最初はパーティのお金を管理していたり、暫定リーダーとして振る舞ったりするので、冷静沈着に思われがちじゃないですか。でも、本当はめちゃくちゃ感情豊かで可愛い人物だと思います。だから、ユークが加入しないで3人のままだったら「ワーッ!」と爆発した日が来たと思います(笑)。

稗田      原作の印象だと、マリナとレインに比べてテキパキ喋るからしっかり者のイメージだけど、ユークが加入すると完璧じゃないところが見えてくる。それが可愛らしいですね。ユークに一番甘えるのもシルクなので。

――そういうギャップが可愛らしさに繋がっている。

稗田      ギャップでいうと、川井田さんとシルクは――。

川井田   (被せるように)ぜんぜん違う(笑)! お金の管理もできません!

稗田      (笑)。なので、アフレコでスッとシルクの役に入るときは感動します。

川井田   一応、しっかりはしていたいと思っています!

伊南      そうなんです。面倒見の良さは共通点だと思います。



――レインはいかがですか?

稗田      最初はたどたどしくて口数も少ない、恥ずかしがり屋だと思っていたのですが、ユークには大胆なところもあるし、大事な場面でスパッと一言言える。そういうギャップが魅力的で可愛い女の子だなと思いました。

川井田   芯がしっかりしているところはあるよね。

伊南      クローバーの中だと一番落ち着いていて、包容力があります。3人の中では実は一番年上なので、頼もしい存在です。



――パーティに加入するユークにはどのような思いがありますか?

稗田      ヒロイン目線で言うと、すごく優しい。だけど罪な男(笑)。

伊南川井田 (笑)。

稗田      「よし、元気に行くぜ!」というタイプではないのが王道とは少し違うところですね。

川井田 最初の「辞めさせてもらう!」と啖呵を切ったのが不思議なくらい(笑)。

稗田      「慎重に楽しもう!」だからね。

川井田   あのときの大胆さをクローバーでも見せて良いんだよ、と思います。もっと強い自分に気づいて、認めてあげて欲しい。

伊南      それくらい着飾るところや裏表がないですよね。サンダーパイクを離脱したときのインパクトが強いのでワガママなのかなと思ったらそんなことはまったくなくて。たぶん、オラオラ系だったとしてもその根っこが優しいのは知っているから付いていくと思うんですよね(笑)。

 

ヒロインズが語る、キャラへのアプローチ法!

――アフレコ現場では小野(勝巳)監督や音響監督からどのようなディレクションを受けましたか?

川井田   シルクに関しては「お母さんにならないように」と。クローバー全体を俯瞰しているので聖母に見られがちだし、役割的にマリナを注意することが多いのですが、皆のお姉さんくらいの立ち位置で、面倒を見てあげる、ではなく、パーティメンバーとして叱ろうと意識しました。

稗田      レインはまず、「オーディションで名前を名乗ったときの、素に近い声でお願いします」と言われたのが印象的でした。それと、彼女は口数が少ないので、台本にも句読点や息継ぎが多く書かれていますが、「稗田さんが思うところで句読点を入れてください」と、細かなニュアンスは任せてもらいました。

川井田   現場で思ったのは、良い意味でレインからは稗田寧々本人を感じさせないんです。どういうふうにアプローチしているのか気になる。

伊南      それは私も聞きたいです。

稗田      感覚を大切にしているところはあるかも。どのキャラクターでも何かひとつは自分と共通点があって、私はレインと違って口数が多いけれど、どちらもマイペース。そういうところから彼女の感情を掴んでいく感じですね。逆にふたりはどうアプローチしたんですか? 川ちゃん(川井田さん)は台本の書き込みがすごいけど。

川井田   あ、あれは全部フリガナを振っているだけ……(笑)。もちろん、1話を通してのキャラクターの立ち位置や、物語全体における感情の流れは考えているけど、こう演技しようと決め込んではいなくて、現場や本番前のテストで最終確認する。羽桜ちゃんは?

伊南      私は現場に行くときにスイッチを切り替えるイメージです。マリナの考えに合わせて自分をチューニングするというか。常に意識しているのは、仲間が大好きということ。そして、無邪気だけど協調性はあるということですね。

川井田 アフレコの日は朝5時に起きてるんだよね。

稗田      そうなんだ!?

伊南    はい(笑)。準備が遅いタイプで、練習もしたいので早めに起きています。

――伊南さんは初メインキャスト・初レギュラーということで、アフレコは大変でしたか?

伊南      本当に緊張して臓器が出そうでした(笑)。小野監督や音響監督の阿部(秀平)さんからは、「マリナは明るい性格なので、場の空気を盛り上げつつ、でもおバカキャラにはならないように」と言われました。それ以外は指示があるというよりも、何回もトライさせてもらえましたね。マリナは魔剣士なので剣を使うのですが、攻撃するときの声の重みを表現するのがなかなかできなくて。そういうときも、「よりカッコよく」という形で後押ししてもらえました。

 

注目のキャラクターは、サンダーパイクのアイツ!

――アフレコを通じて感じた作品の魅力を教えてください。

伊南      作中に出てくるご飯が毎回美味しそうなんです! ダンジョンの中で食べるときとか。

川井田   またマリナが美味しそうに食べるんですよ(笑)。あとは、酒場でご飯を食べているシーンも多くて。

伊南      お腹が鳴りやすい時間の収録なので、本当にお腹を鳴らしてしまったり……(笑)。

稗田      配信という現在に通じる要素も魅力だと思います。クローバーは冒険系配信者ですから。

川井田   確かに。スポンサーがついたりするし、そこは新しい。配信を通じてパーティに人気が出るところも。

稗田      負の面では炎上もある(笑)。

伊南      いやー(笑)!

稗田      作品の魅力と考えると、クローバーと、ユークが離脱したサンダーパイクの関係性だと思います。サンダーパイクが絡むと急に不穏になって、普段の穏やかな空気とのメリハリがすごくあるんです。

川井田   そう。緩急がすごすぎて風邪引きそうなくらい(笑)。

伊南      もちろん、クローバーのヒロインたちとユークの関係性も注目です。ユークが謙虚な性格だからこそ、クローバーが一歩ずつ成長していくのが感じられる物語になっています。

――注目のキャラクターはいますか?

稗田      それはもうサイモンです!

川井田   あんな悪い顔をしていて、あんなずっと怒り肩のキャラクターはなかなかいません! 

伊南      一周回ってみんな大好きです!

稗田      サイモン役の(中島)ヨシキさんのお芝居がまた素敵なんです。あまりの悪役っぷりに、アフレコ現場は笑いが堪えられないことも。

川井田   ぜひ注目してください。


――では最後に、1月11日(土)から放送がスタートしますが、改めて作品全体の見どころをお願いします。

稗田      クローバーとしては、個性の異なる4人が、それぞれの使命感と責任感を持って冒険に向かうところが醍醐味だと思います。そこで見せる頑張りや成長を見て欲しいですね。もちろん、レインも含めたヒロインたちが、ユークとどう接していくのか。彼女たちの特別な気持ちが徐々に明らかになるので、ハラハラしたり、キュンとしたり、ほっこりしたりしてください。

川井田   バトルシーンも見どころです。シルクは遠いところから弓を使ったり、レインは魔法を詠唱したり、マリナは正面から突っ込んでいったりと、性格と戦い方がリンクしているのもポイントです。あとは、魔法道具(アーティファクト)の演出やダンジョンのゾクッとするような雰囲気など、アニメーションになったときの迫力も楽しんでもらいたいですね。

伊南      クローバーは話数ごとに関係性が更新されていって、ユークに対して3人が積極的になっていきます。それはプライベートでもそうですし、パーティの仲間としても自分の役割を考えてプランを出したりと、連帯感がどんどん増していくんです。そういう彼女たちとパーティの成長を見ていただけると嬉しいです!

 


<プロフィール>

伊南羽桜(いなみ・はな)
ケンユウオフィス所属。東京都出身。マリナ役がTVアニメ作品では初メイン・初レギュラー出演作となった。そのほか、近作に『キャッチ!ティニピン』(エゴピン役)など。

川井田夏海(かわいだ・なつみ)
インテンション所属。愛知県出身。近作に、『北極百貨店のコンシェルジュさん』(秋乃役)、『百千さん家のあやかし王子』(百千ひまり役)などがある。

稗田寧々(ひえだ・ねね)
81プロデュース所属。神奈川県出身。声優アーティストユニット「DIALOGUE+」のメンバー。近作に、『クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。』(北条糸青役)、『Summer Pockets』(久島鴎役)などがある。